2013-01-01から1ヶ月間の記事一覧
加藤治郎『うたびとの日々』(書肆侃侃房、2012)を読んだ。様々な場所で発表された文章が二部構成の形でまとめられている。前半は「短歌の現代性【リアル】」と題されており、およそゼロ年代の短歌界を振り返るような内容になっているのだが、奇妙なことに…
高野公彦『汽水の光』(『高野公彦歌集』現代短歌文庫3、砂子屋書房、1987)を読んだ。第一歌集にして既にこの完成度、というような褒め方がされるのをしばしば見かけるような気がするが、通して読んでみると第一歌集らしい未完成さはそれなりにあるように思…
(…)以前、出家者でもある研究者の葬儀に、たまたま参列したことがある。参列者にも出家者が多かったのだろう、導師の読経が始まるや、あちこちから同じ経文を読む声が呼応し、その声が響き合って斎場を満たした。予想もしていなかった出来事で、鳥肌の立つ…